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コーデ週記と日々のこと。

映画「凪待ち」感想。

こんばんは、あーるです。本日は映画「凪待ち」の感想を。見たのが先週の朝9時半くらいだったのですが、明らか重たそうなのによく来るよね…と自分も含めて思ったり。映画館に来るとそういうのも含め楽しい。ひとりで来ている人が多かったかな。

 

主演は香取慎吾。

昔DVD屋だったころは、こち亀とか西遊記とかいつまでも残ってるなぁ、、と嘆いていた記憶があります(発売日近辺にファンが買った後は動きづらい…)。私自身が印象に残っている香取慎吾といえば、未成年や沙粧妙子あたり。古いって?でも、ドラマにはまっていたあの頃はすごく鮮烈でした。

あらすじ・解説

『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』などの白石和彌監督がメガホンを取ったヒューマンドラマ。パートナーの女性の故郷で再出発を図ろうとする主人公を、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』シリーズや『クソ野郎と美しき世界』などの香取慎吾が演じる。

  

木野本郁男(香取慎吾)はギャンブルをやめ、恋人の亜弓(西田尚美)と亜弓の娘の美波(恒松祐里)と共に亜弓の故郷である宮城県の石巻に移住し、印刷会社で働き始める。ある日、亜弓とけんかした美波が家に帰らず、亜弓はパニックになる。亜弓を落ち着かせようとした郁男は亜弓に激しく非難され、彼女を突き放してしまう。その夜、亜弓が殺される。

 

※Yahoo!映画より

 

感想


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ポスターには「誰が殺したのか」「なぜ殺したのか」とあります。が、あんまりそれは重要ではなかったと思うんです。

その方が、キャッチ-に見えるのかな…。中年っぽさ漂う香取慎吾演のアップだけでもうインパクトはすごい。けど。見終わってからのストーリーと照らし合わせると、このビジュアルは違和感すらあります(うーん、だったら印象を裏切った、という意味では正解だとも言えるかもしれないけど…難しい)。

 

「誰が」は…あなた怪しいでしょ、と流石の私でも思ったし。「なぜ」はぼんやりしてますが有り体に言えば嫉妬(と、犯人の元々のサガ)だとは思うけど。

 

亜弓を失ってからの話の方がずっと長い。

ギャンブルと酒におぼれていくダメな男、郁男。でも、根っこの部分では性悪ではなくて。だからこそ、どんなにどん底まで行っても見捨てられないし、恋人の亜弓だって六年間も側にいる…。亜弓の娘、不登校で引きこもっている美波への接し方には優しさが滲んでいました。

見ていて痛々しいまでの堕ち方で。闇競輪から抜けられない姿に行かないで…!って思うんだけど吸い込まれるように薄暗い階段を上っていく。依存症ってこうなんだろうな、と怖くなりました。あまりに堕ちて行くのでどうやってこの映画終わるんだろう、と不安になるほどで。

 

白石監督作品は初です。ドラマ「火花」は見ていたけど監督を意識してはおらず。とにかく最近の勢いは凄い人だな…と。バイオレンスに寄った作品に比べてどうなのかはわからないですが。祭りや印刷所での徹底的に相手をやりこめるシーンのリアルさには肉体的な痛みより、郁男の行き場のない思いを感じて。終始スクリーンを見つめながら、やりきれない思いでいっぱいでした。

 

一縷の希望を見出して映画は終わります。エンドロールでは思わず涙が流れてきて。明確にこのシーンに、台詞に、グッと来た!という訳ではなくて終わってからぶわーーーーと静かに押し寄せるあの感じ。久々。



 

謎解きよりも、喪失と再生のドラマを通してシンプルに「人は1人では生きられない」ということが強く胸に刻まれた一作です。

どうやら客入りはあまり良くなさそうですが、多くの人に届きますよう。

 

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