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コーデ週記と日々のこと。

映画「天気の子」感想。雨続きの東京で観たことも忘れない。

こんばんは、あーるです。本日は「天気の子」の感想を。

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観てからしばらく経っています。梅雨明け前、東京に長雨が続いて鬱々している頃映画館に行きました。今思い返すとそんなシチュエーションも含めて印象深い一作です。 

 解説・あらすじ 

『秒速5センチメートル』などの新海誠監督が、『君の名は。』以来およそ3年ぶりに発表したアニメーション。天候のバランスが次第に崩れていく現代を舞台に、自らの生き方を選択する少年と少女を映し出す。ボイスキャストは、舞台「『弱虫ペダル』新インターハイ篇」シリーズなどの醍醐虎汰朗とドラマ「イアリー 見えない顔」などの森七菜ら。キャラクターデザインを、『君の名は。』などの田中将賀が担当した。

 

高校1年生の夏、帆高は離島から逃げ出して東京に行くが、暮らしに困ってうさんくさいオカルト雑誌のライターの仕事を見つける。雨が降り続くある日、帆高は弟と二人で生活している陽菜という不思議な能力を持つ少女と出会う。 

※Yahoo!映画より

感想

・バッドエンドなの?

私、見た時の週記には「期待しすぎた」と一言書いていたのです。どうしても「君の名は」と比べてしまっていたのでしょうね。

タイトルが出てきた瞬間に(あっ、もう出てきた…)と思った自分がいました。君の名はのオープニングの高揚感ったら凄いから…。

 

あれはあれ、これはこれ、ということ。時間が経った今は、じわじわと良かった、と思い返しているところです。

 

主人公の帆高はとにかく真っ直ぐで、ただただ若いな、と。もうこの頃には戻れないという眩しさ。

そんな大人を受け止めてくれるキャラもきちんといるんですよね。小栗旬演じる須賀と本田翼のナツミの2人。須賀は…そりゃ冷静に見たらどうなの!?だけど、過去の自分を思い起こしてか最終的に背中を押す。

バッドエンドだという意見もわかりますが…。この人を絶対に失いたくはない!という強い気持ち、一生に一度くらいはこんな風に思える時があってもいいんじゃないかな。ただ、帆高のそれが、恋愛だったのかというとそれ以前、恋に恋してるように私には見えました。鬱屈とした日々から逃げ出して、早く大人になりたいともがいている時期と重なって。

本当に愛し続けられるか?恋愛だったのか(恋愛になっていくのか)?っていうのは…あのラスト以降こそが真実だと思うのです(続編はなくていいけど、貫いてほしいです…)。

 

・印象的な台詞

須賀さんの言う、

「世界なんてもともと狂っているんだから」

あの、おばあちゃんの、

「元の姿に戻っただけ」

 

異常気象とは言っても。異常かどうか調べ出した期間なんて、地球が誕生してからの期間と比べたらほんの少しな期間な訳で。あんなラストが起こり得ないとは言えないな…とぼんやり思います。それが大袈裟だとはしても。この二つの台詞もあって結末を受け入れた私です。

なんかね、最近やっぱり狂ってる、って思うこと多い…。長雨の後のこの暑さにしても、様々に起きる事件にしても。何が起きてもおかしくないって諦めたり開き直るわけじゃなくて。雑音は多いし、人目は気になるし、人生折り返し過ぎるくらい生きていても、いまだ決断に自信が持てない時もあるし。だからこそ、自分が何を大切にしたいのか(その結果何かを失ったとしても)を覚悟して生きていたいな、と。

 

・雨の新宿 

アニメの表現についてを書きますと。とにかく雨。水。の表現の多彩さ。

冒頭の病室でガラス窓を伝って形を崩していく雨粒から、新宿を濡らす雨、傘の上で弾む水…「いまから晴れるよ」からの美しさ…見入ってしまいます。

 

あとは、東京、とくに新宿の風景。個人的には歌舞伎町には通い詰めたライブハウス(ACBです)があり帆高のうずくまっていた所は(そうそう、こんなだよね…)と、思い出と相まって。あの雑多な感じ、あんなに人がいるのにどうしようもなく一人な感じ、ね。胸がキュっとします。神宮の花火も然り。

知っている風景なんだけど、本物ではなくて、でも本物以上にリアルな感じ。

そして、絶対に実写では撮れないラストの東京の風景。アニメの真骨頂を見ました。

 

スポンサー絡みでの広告の再現はちょっとうるさかったです。新宿を走る宣伝トラックとか。

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からあげクンは元々大好きですが、つい買っちゃう私のような人もいます。

 

・夏の風物詩にはならないで 

ここからは本編とはあまり関係ないのですが。

ポストジブリな存在として新海監督ってもう語れないと思うのですよね。(興行収入という意味ではそうかもしれませんけど)観る側にとっては。大人にまだなってない世代、大人になりきれてない大人にズーンとくるのであって(一緒にされたくなかったらスミマセン…)。老若男女にオススメ、ではないもの。

監督は公開規模が違えばストーリーは違ったとパンフで語っていましたが(手元にないので、一言一句は同じではないかも)、間口広げてこの結末なら次作はどうなっていくんでしょう…。音楽を誰と組むのかも含め、楽しみです。

 

規模が広がってからの、すごくパーソナルな世界を描いた細田守監督のことをちょっと思い出しました…。ファミリー大作は他の誰かに任せて欲しいですね(いないのかな…)。

 

 

ということで、あちこち話は飛びましたが、映画「天気の子」の感想でした。