映画「イエスタデイ」の感想です。映画ママ友に強烈にオススメされたこともあり観てみた一本。
気になっていたけれど、ビートルズはそこまで思い入れないしなぁ~…で止まっており、軽い気持ちで行ったのですが。
…結構泣きました。
ビートルズについては有名どころは曲名が言える程度。元CD屋としてはマズいでしょうけど(洋楽担当じゃないから許して、というレベルではないのでね…認知度的に)。働いてた頃はベスト盤が売れたら勝手に発注かかるシステムで常に在庫切らさない群でしたね。ほっといても絶対売れるので。紙ジャケや高音質盤で再発するものがあれば必ず買う!という方が多くいましたし、年齢層の広さも本当に幅広かったという記憶。
思い出話はさておき。
ある日突然、世界が一斉に停電。その間に交通事故に遭い目覚めたらビートルズの事を誰も知らない世界に飛び込んでしまったら…?
という設定まではサクサクと進みます。そんなことあるわけないでしょ、は気にする間もなく!
主人公の男、ジャックがあんまり格好よくないんですよね。でもそれが良い。
泣かず飛ばずのミュージシャンのタマゴだった彼が、友人たちの前で「イエスタデイ」を披露したときの反応がもう!この曲一体何?と涙ぐんでしまう程。劇中で改めて歌詞を眺めつつ聴くと名曲だなぁ…と。あと、このシーンにこの曲を持ってくるのね~という楽しさ。
Googleで検索してもカブトムシ、としか出ないビートルズ。本当に誰も知らないのなら…俺が演奏してもいいのか?と葛藤しながらもジャックは次々と曲を思い出しては披露して、トントン拍子にCDをレコーディング、大手レコード会社と契約。ずっと傍で音楽の才能を信じてくれていた幼馴染のマネージャー(可愛い…)に別れを告げて、巨大なツアーへと旅立つ…
途中から出てくる強引なレコード会社のマネージャーや、スカした会議などにはクスッとさせてもらいました。
途中でビートルズの事を知る謎の老夫婦が現れるのですが…その後の展開も!!!
クライマックスでの主人公の正直さには胸打たれます。そして、焦れったい幼なじみとの関係にも終止符がやっと打たれてそちらにも涙。
「ビートルズの素晴らしさをただ伝えたいだけなんだ!」という主人公の思いが、この映画自体の思いに重なって。元々知ってる人や大好きな人は勿論(特にラスト近くに現れる人物に)涙するだろうし、何となく知ってる人、あまり知らないという人には改めてその名曲っぷりと共に、自分にとっての幸せって何なんだろう?という問いへの答えが見つかるはず。
子どもと一緒に音楽フェスに行きたいな~と思っている自分にはラストシーンにはしみじみしてしまいました。
あちらの世界から消えたものに共通項はあるのでしょうか?わかる人がいたら教えてほしいです。特に意味はないのかな。
あの老夫婦の他にも知ってる人たちはいたのか?あの瞬間に皆事故に遭ったのかな?とかも色々気になっちゃいました。ビートルズ的な小ネタには気づけなかったですが…
最後にエド・シーランってイイ人…。とにかく悪い奴は出てこない!幸せな映画。
Let It Beの消化不良さも解消されて余韻に浸りながら映画館を後にすることが出来ました。
この映画を知った時に「僕はビートルズ」を真っ先に思い出しました。(漫画のラストは正直忘れてました…ガクっと来たんだと思います)。
漫画を読んでいた頃も思いましたが、前提としてビートルズ知ってるよね?で話が進められるバンドっていうのは…やっぱり桁違いに凄い存在なんだな、と改めて感じた次第。
監督はダニー・ボイルなんですね。トレスポにはあまりハマれなかった人ですが、この2作は好きです。
↓ほぼ一人の熱演にひたすらハラハラさせられます…!