あーるのあーだこーで。

コーデ週記と日々のこと。

大泉洋主演小説、「騙し絵の牙」読書記録。

こんばんは、あーるです。

今年は本を読みたい。

と思い、衝動が消えない内にとっかかりの一冊を買いまして。本屋のランキングから目についたものですが面白く!早速読み終わったので記録。

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「騙し絵の牙」塩田武士

あらすじ

大手出版社で雑誌編集長を務める速水。誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!

 bookデータベースより

感想

大泉洋を当て書きした、映画の脚本ではなくて小説!?どーいうこと?と思いました。文庫化の前は全然知らなかったのですが、ダ・ヴィンチでの連載だったとのこと。それすら知らずに読んだので(まさか、当て書きされたのが実は速水じゃないとかいうオチは…ないよね?)無駄に怪しんでしまいましたが、さすがにそれはありませんでした笑

 

「天性の人たらし」と言われる速水のキャラとビジュアルは、大泉洋の雰囲気からなるほどイメージしやすい。でも、エピローグではそれまで見えなかった胸の内が明らかになる。速水がどうして小説をそこまで愛するのか?という原点が明かされる訳です。知ってからプロローグを読むとまた別の姿が浮かび上がる…なるほどなタイトル。

エピローグは唐突な感じもしますが、そこに至るまでは出版業界の裏側を描いたお仕事小説としての面白さでグイグイ読み進めてしまいました。大御所の作家先生とのやりとり、同僚の女性との曖昧な関係、同期や上司との駆け引きや、はたまた女同士のバトルをまとめたり。で、そこまで仕事に情熱を傾けるから妻や娘とのこともこんがらがってきたり。何を守りたいのか?雑誌か、作家か、お金(生活)か?誰もがこんな上司だったら、編集者だったら、ついていきたいと思うような男・速水の心の奥底を知ると切ない、です。

 

映画のHPを確認してみますと、ちょっとずつ登場人物の名前や設定が異なります。映画オリジナルの展開があるのかな?と期待。結末知っている話をわざわざ観るのが若干勿体ないような気もするので(だったら、全然知らない映画を観ようかなーとなる)。ま、そうやってラストを変えて「原作通りにしてほしかった…」と言われることも多々あるので、観るほうは勝手なものよね。

騙し絵の牙 (角川文庫)

騙し絵の牙 (角川文庫)

  • 作者:塩田 武士
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: 文庫
 

 監督は吉田大八。なんで、ちょっと観たい気はする。

movies.shochiku.co.jp

次は湊かなえの「物語の終わり」読んでます。家にあったけど読んでいなかったものを端から読んでいこうかな。