見ました。気になっていたこの作品。
ヤクザ映画?と一括りには出来ない、タイトルにもあるように家族、の話です。
先週「素晴らしき世界」(出所後のヤクザの日々を描いている)を見て感銘を受けたのですが…。
こっちもすごい。
綾野剛が10、20、30代の姿を演じます。
オープニングクレジットの縦書きで流れていく時代劇感。ヤクザ映画=そういうことなのか。
時代に取り残された男たちの哀しさにこれでもかと切なくなる。とにかく役者がそろったというところ。
北村有起哉演じる不器用な若頭の末路を想像すると辛い。
尾野真千子演じる由香の、こんな哀しい告白ってあるか。「あんたなんか…」。(まあ、そんな都合よく娘が産まれるかしら…とはチラっと思ってしまったりもしますが)。手に刺さった棘か何かを取ってくれた、あの時に何かもう今まで触れたことのない優しさに触れた…っていう瞬間だったのかもしれませんね。
最後はね…そうなるとは思ったけど刺した相手に呆然。一番、わかるというか想像つく人物だよね。そりゃないよという思いと責められないという思いと…。
ギラギラした、でもどこか覚めてる磯村勇斗演じる翼もほんと良かった。
ラストシーンの優しい眼差し。少しだけの希望。
優しく背中を抱き締める舘ひろしと綾野剛。綾野剛と磯村勇斗。
これ見ちゃったら、アウトレイジとか時代劇になっちゃうよね。それが悪いわけじゃなくて、こうやって変わっていく。それよりさらに前のものは余り知らないのだけど、クラシックになるのか。
エンドロールには歌詞が表示されましたが、それも含めての作品だな、と噛み締めながら劇場を後にしました。
とにかく、出てくる誰からも目を離せないし、泣かそうと思ってないだろうけど泣けて仕方ない。そんなところです。
はー、相変わらず映画感想がとっちらかる。けど最近書けていなかったので、記憶が薄れる前に!
監督は新聞記者の藤井道人。34歳(!)。