◯6歳のボクが、大人になるまで
12年もの長い間、同じ俳優たちが集まって撮影されたという本作。
6歳の少年とその家族、周辺の人々がそれぞれ成長していく様を描いたドキュメンタリーのような作品です。日本で言えば北の国からがありますがあんなにドラマティックではありません。退屈と評されるのも判りますが私は好きでした。
割と淡々と流れて行くのですが、全く退屈せずに見ることが出来ます。それなりに大きな事件が起きたり生活の変化があったりするのですがことさら大袈裟に描くこともなく。
成長という道のロードムービー、とでも言うのでしょうか。実際土地を点々とするのですが様々な人と出会う中で感受性の強いメイソンは反抗したり壁を作ったり、悩んだりしながらも大人になっていく…。
パトリシア・アークェットはオスカー助演、GG賞も受賞しています。作品自体も数々の映画賞を受賞して話題になりました。
なのでずっと気になっていたのです。
仕事では完璧を求め子育ても口うるさいまでに心配するも、ダメ男を選び気味。そんな所に大いに人間味を感じました…!メイソンが巣立って行く時のシーンは思い返すと母的には胸が詰まります。立派に、育てたし育ったよね。
イーサン・ホーク演じる最初の夫、の
「怒るけどママを愛している」
というのがその時は(何だよっ!)て思いましたが後々意外と真理だったようにも思えます。
タイミングが合わなかった…あの頃、もう少しお互い大人だったら。そんな事をメイソンとライブハウスで語り合うラスト付近が切ないです。捨てられない音楽への夢、というのも解るような気がします。若い内って自分は特別で何か出来るに違いない、という思いが燻る時がある。
やり直せたのは、別の女性と。メイソン達とは距離感があるからこそ上手く付き合えたのかもしれないし、自分を省みて優しくアドバイス出来たのかもしれない。2番目の妻との子どもを育てる時こそ本当に良い父親になるんじゃないかと思います。
と、結構大人の成長に感じ入るのは自分が親になっているからなのか。
サマンサ役の女優さんは、監督の娘さんなんですね。
子役2人は大人になって俳優はしているのでしょうか。調べてみたものの殆どその後の芸歴はないようです。
あどけなくて可愛かったメイソンがすっかり大人になっていく姿は当たり前ですが実際の成長と相まって…凄く入り込んで見てしまう一作です。見終わった後、ジャケット写真を見るとしみじみします。
メイソンがあの彼女と上手くいくといいなぁ…。
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