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コーデ週記と日々のこと。

映画「82年生まれ、キム・ジヨン」感想。

映画の感想です。

 

女性の生きづらさ(ざっくりな説明)を描いた韓国発のベストセラー小説の映画化。

 

あらすじ

結婚を機に仕事を辞めて、専業主婦になったジヨン。育児と家事だけの日々や義母との関係などで自分を見失いつつあるジヨンは、ある日突然他人が乗り移ったような言動をするようになる。

それに気づいた夫は、なかなか言い出せないまま、ジヨンに精神科の受診を進めるのだが…

 

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キム・ジヨンというのは、韓国でよくある名前だそうです。

 

 

乳幼児を育児中の女性には特に感じることが多いと思います。しかしね、その人たちは一番観に行きづらい人たちなのよね。以外と抱っこシネマとか親子OKな時間に、まだ寝てくれる時に思いきって行く方が動けるような。

 

 

冒頭のシーン。床に散らばったおもちゃをお片付けボックスにバサッと入れ、ルームテントを傾けて中の細かなゴミを出し掃除機で吸いとって。で、ベランダに出て外を眺めてふっ…と一息つく。と、窓ガラス越しに聞こえる「ママ~~マァマァ~」と泣く声。

 

もう、これだけで泣けました。分かりすぎて。

 

理解あるようで義母寄りな夫は、充分優しいゆえにこれ以上望むのは贅沢…と思わされてしまう。キャリアを積み上げてきた女性の上司も、ああやって上り詰めてきたのだろうけど、きっとどこかに虚しさもあって。良い妻になるのは諦めた、良い母であるかもわからない、と。男性社員からのハラスメント的な言動をキレずにくさして周りをきちんと納める。ああ、私には出来そうもない。

 

ちょっとパートでもしてみたら、気持ちが晴れるんじゃないか。求人募集の張り紙を見ながら、でも、出来るかどうか…と逡巡する。そして、働いてみると言えば夫に「そんなこと頼んだか」と強く言い切られる。

そこまでは至っていないけど、気持ちは痛いほど想像つく。安易に使いたくはないが産後鬱の気は入ってるだろうね。

 

未婚の姉、優遇されがちな弟、大なり小なり(あるよね、そうなんだよね…)としみじみ感じる。

 

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ちょっと自分の話にもなりますが。

 

育児だって立派な仕事だと胸を張って良い。でも渦中にいるときは思うようにいかなかったり、自分の時間が本当に無くて苦しかったりと。未就園の子を抱えている間は本当に大変で。下の娘が幼稚園に上がった今は、ほんの少し楽になってきたのは事実。真っ只中の自分にいつか楽になる日がくるから!と言っても辛いのは今だから…って思ってただろうし、その繰り返し、繰り返しだよね。

自分は、仮にパートとして働いたらぶっ壊れるな…と容易に想像がついたから、幼稚園に娘があがるまでは仕事したい、とまでは行動しなかった。でも、外の空気に触れたくなる気持ちは手に取るようにわかる。

なので、たまーに一日でも、夫が子どもを見てくれる日があったのは良かったと今にして本当に思う。自分の場合は育児に直面する前に鬱経験があったから具体的に対策したとも言えるかな。

 

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そんな頃が次々と思い出されて、いや、私頑張ってたよなあ…と。思えた。

 

映画のラストは…これ、一番羨ましいパターンでしょ!こうして、この物語は出来ました。って、ブログ書くような人間には、、いいな~!ですよ笑

 

原作はどうやらほろ苦なラストのようで、ちょっと気になるのよね。読もうかな。

憑依した人物も唐突感が否めないので(お祖母ちゃんはまだしも、先輩は?)、原作を読めば消化出来るだろうか。内容は本当に育児でヒーヒーしていた頃にそれこそブログや育児サイトで見聞きしたことがあるような事が多いけど、それをどうやってまとめたら小説になりうるのか?う~ん、知りたいです。

 

映画館に行くのは、家から離れられるので家でAmazonで見るよりも断然集中出来る。ので、是非行ってみてほしい…って言っても一番育児に集中している人はなかなか難しいだろうから、「行ってきたら?」って言ってあげたい人が側に居ないか見渡してみてほしいです(この作品に限らず、というか映画を観に行くことにも限らず)。

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