こんばんは、この時代の専業主婦あーるです。ようやく観たいと思っていた一本「この世界の片隅に」を観たので感想を。子どもたちが大きくなったら、見せたいです。
今回もアマゾンプライムにて。
あらすじ
戦時中の広島県呉市を舞台に、ある一家に嫁いだ少女が戦禍の激しくなる中で懸命に生きていこうとする姿を追い掛ける…(yahoo映画より)
感想
主人公のすずが、名前も知らない家に嫁いでからの日常が描かれる前半。主婦っていつの時代もこうやって細々工夫して生きていくものよね~と思わず頷きました。
服が無ければ着物を解いて仕立て直し、食材が無ければその辺の草や木の実を見極めて。火が勿体ないから一度煮立てたお鍋の上に布(紙?)を敷き詰めて保温する…とか。火を止めたストウブにバスタオルかけて放置はたまにやります、私も。
創意工夫で楽しく(と言っては語弊があるかもしれないけれど)乗り切る。家族が笑っていられることが一番。そんなすずの姿は辛い時代にあっても、ノホホンとしながら逞しい。
でも。時々絵を描くのが大好きだった自分や、封印していた初恋の思い出がふと顔を出す。今の自分には不要かもしれないけれど、自分を支えたり形作ったりしたものや、コト。時々(何やってるんだろう…)な気分になること。
見えるのは戦場ではなく日常を生きる人たちの姿。段々と、警報がなって防空壕に逃げ込むことすらも「またか」と日常になってしまう…そして、一瞬にして壊される怖さ。
被爆のシーンは、絵を描くのが好きだというすずの姿も映し出されて…生々しくないのに伝わる状況や痛み、残酷さ。そのあたりの描写には本当に唸らされます。アニメーションならでは、です。
その後生きていくすずの葛藤。前半との落差が痛い。
全てにおいてドラマチックにことさら描かれるわけでもなく、淡々とシーンが紡がれていく中で静かに胸打たれました。
特に思い入れも無かった結婚相手の周作さんとの関係がだんだん変化していく。周作さんの真っ直ぐさ。待っていてくれる人がいるから、帰るとことろがあるから、生きていけること。すずの気持ちの変化が溢れたこの言葉。
「この世界の片隅に………ありがとう。」
そう思えたすずと周作さんなら、きっとこれからを乗り越えて行けるはず。
最後に
幸いにも、私にはまだ日常が一瞬にして壊されてしまうレベルの出来事に、遭遇したことはないけれど。いつ来ないとも言い切れない。私の悩みなんてちっぽけだ。その最中にいると苛々したり怒ったりどうしてもしてしまうけれど。
そんな日常すらを慈しんで毎日まいにちを、大切に生きたいと改めて思う。もしこの日常が壊れても優しく強くあれるだろうか。ぼんやりとそんな思いを反芻しています。
私は自分の言葉では戦争を語れないけれど、子どもたちが大きくなったらこの映画を見せたいです。
幾つかの小さなエピソードが回収されるのですが、省かれている部分もある用で。漫画で丁寧に読み直したいです。
2人の子どものこととか、座敷わらしのあの子のこととか。